http://www.at-s.com/news/article/health/national/引用
2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞した日本人の大村智さん(80歳)が12月13日にスウェーデンのストックホルムから帰国しましたよね。
授賞式や晩餐会などの行事を約1週間でこなすというハードなスケジュールだったようですね。
帰国した時の黒い帽子をかぶってメダルを持ち、穏やかに微笑んでいるお姿が印象的でした。
ところで、大村さんの研究した「イベルメクチン」とは一体どのようなものなのでしょうか?
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ノーベル賞を受賞した研究内容とは
大村さんが約40年もの年月をかけて研究しているのは「イベルメクチン」というもので、一言でいえば「抗寄生虫薬」のことです。
寄生虫による風土病を治療するための薬としてアフリカなどで無償での投与が行われ、服用した人たちは感染症や失明などから救われ、その数は世界で、年間3億人にのぼるようです。
イベルメクチンとは、アベルメクチン(またはエバーメクチン)の発見を基に、開発に取り組まれたものなのです。
イベルメクチンの基となった物質
イベルメクチンの基となった物質がアベルメクチンという物質です。
聞き慣れないカタカナばかりで書いている私が混乱してきてしまいました。汗
アベルメクチンとは、微生物が作る化学物質に有用なものがあるかどうか調べてゆく中で発見されたもの。
新種の菌が出す物質から寄生虫に効果の抗生物質だということが分かりました。
この存在を確認したのがアイルランド出身のウィリアム・セシル・キャンベルさん(85歳)で今年、大村さんとノーベル賞を共同受賞しています。
キャンベルさんは、このアベルメクチンが家畜に効果があると確認しました。
イベルメクチン、もともとは家畜用?
さて、このアベルメクチンを基に作られたイベルメクチンですが、やはり当初は家畜専用だったイベルメクチンです。
その後の研究で「オンコセルカ症」、「疥癬(かいせん)」、「リンパ系フィラリア症」の予防に効くということが判明します。
これらの病気は一体どのようなものなのでしょうか?
まず、「オンコセルカ症」ですが河川で繁殖するメスのブユが人を刺しこれによってかゆみ、発疹を引き起こして、視覚異常、失明の危険もある病気、別名「河川盲目症」とも言われている病気です。
「疥癬」とは皮膚のダニ感染症で、身体的接触を通して人から人へと移ります。
この疥癬は介護の世界では結構感染力が強く厄介な物です。
ヒゼンダニによって引き起こされますが、ダニの数が少ないにもかかわらず強いかゆみを感じる病気です。
そして、「リンパ系フィラリア症」ですが、フィラリアという寄生虫が病原体であり、蚊を媒介して人に感染する病気です。
感染すると足が象のように大きく腫れることから「象皮病」とも呼ばれています。
これらの病気を予防できることで、年間3億人以上救うことが出来るのだそうです。
とても偉大な薬なのですね。
ノーベル財団も「人類への計り知れない貢献」と高く評価しています。
まとめ
2015年のノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智さんの研究している、「イベルメクチン」とは、「アベルメクチン」を基にして発明された寄生虫に効果のある薬です。
大村さんの研究のおかげで感染症や失明の予防が出来、年間3億人もの人々を無償で救っているということが今回のノーベル賞受賞に繋がったようです。
ちなみに、無償提供している理由は、元々動物のために開発していたものなので人間用は儲けるつもりはないということなんだそうです。
これが本当なら、ものすごいことですよね。
日本人の誇りですね。
こつこつ研究すること40年・・・
私たちも見習いたいものです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。